

DNAやRNAを溶解するために使うTE bufferの作り方を紹介します。
TE bufferとは、Tris-EDTA bufferの通称です。
Trisは液のpHを適切な範囲内に安定させるバッファーの役割、
EDTAは2価金属イオンをキレートして、ヌクレアーゼを不活性化し、DNAやRNAの分解を抑える役割を持っています。
ここでは、希釈しないでそのまま使える1X TEバッファーの作り方をご紹介します。
1M Tris-HClや0.5M EDTAはストックしているものを用いるのがよいでしょう。
完成したTE bufferは常温で保存可能
pHは8.0になります。
TEバッファーの役割は、冒頭に書いたとおり、DNAやRNAの分解を防いで安定的に長期保存させることです。
EDTAはCa2+やMg2+といった金属イオンをキレートし、DNaseやRNaseの活性を抑制させます。
ただし、RNase A(DNA抽出の際に、不要なRNAを分解させるために添加することがあります)は金属イオンを必要としないため、EDTAによって活性を阻害されません。
DNAの溶解にはpH8.0のTris-HClが、RNA用にはpH7.4程度のTris-HClが使われる場合もあります。
RNAの溶解にはTEではなく、RNase-freeの超純水が使われる場合も結構あります。
私自身、RNA(mRNA)はPCRで使うことが多く、基本cDNAに逆転写します。
RNA自体はTE bufferではなく、RNase-free waterで溶解し、-80℃保存します。これでとくに問題はありません。
cDNAはTEで希釈します。
TEバッファーのデメリットは、高濃度のEDTAだとPCRの酵素反応が阻害されて、PCRがかからない可能性があることです。
これはPCRのDNAポリメラーゼの作用に金属イオンが必要だからです。
とはいえ、市販のPCR試薬(SYBR Greenなど)の説明書どおりの組成で行えば、EDTAの悪影響を心配することはないでしょう。