

ウエスタンブロッティングにそのまま使える1xの転写バッファーの作り方を紹介します。
セミドライ式、タンク式のどちらにも対応しています。
これらを800mLの蒸留水に溶解します。
ここに
メタノール 200mL
を加え、最後に蒸留水で1Lでメスアップします。
4℃で保存してください。
正しく作ればpH 8.3前後になります。
pH調製はしないでください。
もしpHがずれている場合は調製ミスなので作り直してください。
上記のとおり作成した転写バッファーに、SDSを0.5-1.0g溶解します。
つまり、基本の転写バッファーに0.05-0.1% SDS添加ということになります。
おおむね200kDaを超えるタンパク質をウエスタンブロッティングしたい場合、基本の転写バッファーではゲルからメンブレンにタンパク質が移動しづらく、転写効率が非常に悪くなります。
SDSを添加することで、ゲルから高分子量のタンパク質が離れやすくなります。
ただし、SDSはタンパク質のメンブレンへの結合を阻害するというデメリットもあります。
よって、SDS濃度をいくつか振って最適なSDS濃度を検討する必要があるかもしれません。
ちなみに私のケースでは、450kDa程度のタンパク質を扱うときに0.1% SDSとして良好な結果を得ました。
高分子量を検出したい場合は、上記SDSを加えた転写バッファーを使いますが、それだけでは上手くいかない場合があります。
SDS添加の場合は発熱しやすく、タンク式の通常の転写条件では不適切な場合があります。
また、基本的にはセミドライ式は高分子量の転写には向きません(iBlotのようなパッケージされた転写装置だと上手くできる場合もあり)。
一例として低電圧(30V)、長時間(18h)、低温での転写をおすすめします。
低温といっても、コールドルームや冷蔵庫の中に入れるだけでは発熱量に追いつかず、温度が上がってしまいます。
タンク全体が入る発泡スチロール箱を用意し、その中にタンクを入れ、クラッシュアイスと水で満たして冷却します。