
PBSといえばWestern blottingやELISA、免疫染色、細胞培養などの実験で多用する緩衝液ですね。
PBSは大量に使用するので、毎回1xのものを調製するのは大変です。
10倍濃縮の10x PBSを作っておき、必要に応じて蒸留水で10倍希釈して1x PBSにすれば時間と労力の節約になります。
そこでこのページでは、10x PBSのレシピ、作り方を紹介します。
上記の試薬をビーカーなどに秤量して900mL程度の蒸留水に溶かし,メスシリンダーなどで1Lにメスアップします。
耐熱メディウム瓶に移し,121℃,15分間でオートクレーブします。
オートクレーブしたものは常温で長期間保存可能です。
長期間保存できなければ,せっかく10x PBSを作った意味がないので,必ずオートクレーブで滅菌しましょう。
上記のレシピではリン酸水素2ナトリウム2水和物での作り方を紹介しましたが、
12水和物や無水でも作ることができます。
これはリン酸水素2ナトリウム12水和物を使う場合のレシピです。
これらを上記と同じように調製します。
これは無水リン酸水素2ナトリウムを使う場合のレシピです。
上記と同じように調製します。
10倍濃縮の状態でpHを測定すると大体6.8くらいとなります。
ですが、10倍希釈して1x PBSにするとpH7.2-7.4と良い状態になります。
1xにしたPBSは、短期間で使い切る場合はオートクレーブなしで4℃保存でもOKですが、長期間の場合はオートクレーブしたほうが良いでしょう。
もし後でpHを調節したい場合は、HClとNaOHで調節します。
ただ、私はpH調節したことはありません。
それでも失敗したことは一度もありません。
10xを作る段階できちんと上記のとおりのレシピを間違えなければ、細かいpHのずれは気にしなくても大丈夫だと思います。
なんといってもbuffer(緩衝液)ですから!
もし、pHを測って大きくずれていれば、それは分量を間違えたのかもしれません。
作り直すことをおすすめします。
PBSは、あのDulbeccoが作り出した緩衝液です。
生理食塩水より生理的状態に近いと言われています。