
接着細胞培養で大事なのは、細胞をディッシュ・プレート中に均一に播くことですね。
ですが、均一に細胞を播種するには多少コツが要り、ちょっと苦手な人もいるのではないでしょうか。
ここではそのコツを紹介したいと思います。
1wellあたりの面積が小さい場合は、上の方法のように、揺らして細胞を均一に分布させるのは難しいです。
この場合は、培地を満たしたwellに後から細胞を撒いてはうまくいきません。
あらかじめ1wellあたりに入れる培地の量と、1wellあたりに入れる細胞数を計算し、50mLのファルコンチューブなどに、その量の培地と細胞を加えて転倒混和させ、培地中に細胞を均一に分布させます。
その後、必要量の培地を各wellに入れます。
ギリギリの量だと足りなくなる場合があるので、1割程度多めに作っておきましょう。
その後、その細胞入り培地を各wellに手早くピペットで入れていきます。
そして上の場合と違い、プレートを揺すりません。そのまま静かにインキュベーターに移して培養します。
どれだけの細胞を播種するかを決めるのに、1ウェル中に撒く細胞数で表現する派(「1ウェルあたり10万個」など)と、撒く細胞密度(「10,000 cells/cm2」など)で表現する派があります。
どちらでも問題ないのですが、細胞密度で表現するほうが、大きさの違うウェルに撒くときでも計算しやすいと思います。
私は細胞密度派です。ちなみに、私の元ボスは細胞数派でした。
「普通は6wellディッシュを使うけど、簡易的に培養プレート上で免疫染色をする場合は抗体節約のために12wellを使う」
といった場合は、細胞密度で決めておいたほうが、いちいち面倒でなくて良いかな、と思います。
※できるだけ抗体をケチりたい方へ⇒免疫染色で抗体を節約する方法