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エタノール沈殿やChIPアッセイの脱クロスリンクなどで使われる5M NaClですが、溶液を作るときにNaClがなかなか溶けきれなくて苦労する人も多いと思います。
というのも、NaClの飽和溶解度は室温で約36g/100g水であり、モル濃度換算すると5Mにかなり近い値となるからです。
つまり、5Mというのは、塩化ナトリウムを水に溶ける飽和状態にかなり近い濃度であり、溶媒(=水)の量が少しでも足りないと溶けないで析出してしまうのです。
そこで、100mLの5M NaCl水溶液を作る具体的な方法を述べたいと思います。
注意点としては必要な水の量が100mLではなく、それ未満であるという点です。
29.2gのNaClを100mLの水に溶かしてしまうと、出来上がったNaCl水溶液のモル濃度は5Mよりも薄くなってしまいます(NaClが溶けることで、水溶液の体積が100mLを超えてしまう)。
なので、面倒ですが、最初は85mLくらいの、やや少なめの水でNaClを溶かし、そこから徐々に水を追加して溶けていないNaClを溶かし切ってしまうようにしてください。
ちなみに、NaClの溶解度は温度による影響が非常に少ないです。
なので、冬で気温が下がったときにNaClの溶解度が下がって一部が析出してしまう・・・ということはありませんのでご安心ください。