5M NaCl 溶けない

 

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5M NaClを調製するときのコツ

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エタノール沈殿やChIPアッセイの脱クロスリンクなどで使われる5M NaClですが、溶液を作るときにNaClがなかなか溶けきれなくて苦労する人も多いと思います。

 

というのも、NaClの飽和溶解度は室温で約36g/100g水であり、モル濃度換算すると5Mにかなり近い値となるからです。
つまり、5Mというのは、塩化ナトリウムを水に溶ける飽和状態にかなり近い濃度であり、溶媒(=水)の量が少しでも足りないと溶けないで析出してしまうのです。

 

そこで、100mLの5M NaCl水溶液を作る具体的な方法を述べたいと思います。

  1. ビーカーとスターラーと使い、撹拌しながらNaCl 29.2gを80mL超純水に溶かす。15分もすればかなり溶ける。 
  2. しかし、1の状態では溶けないNaClが結構残っている。
  3. そこで、少しずつ超純水を加えながら、残っているNaClを溶かしていく。
  4. NaClが溶けきったら、水溶液50mLをファルコンチューブ(遠沈管)で測り取り、それをメディウム瓶に移す。
  5. ビーカーに残っているNaCl水溶液を全量50mLファルコンチューブに移す。
  6. この時、50mLに少し足りないはずなので(もし超えていたら作成失敗なので最初からやり直し)、ファルコンチューブに超純水を加え、50mLまでメスアップする。
  7. メスアップした5M Nacl水溶液をファルコンチューブからメディウム瓶に加える。これで5M NaCl 100mLの出来上がり。
  8. 最後にオートクレーブ滅菌して常温保存。

注意点としては必要な水の量が100mLではなく、それ未満であるという点です。
29.2gのNaClを100mLの水に溶かしてしまうと、出来上がったNaCl水溶液のモル濃度は5Mよりも薄くなってしまいます(NaClが溶けることで、水溶液の体積が100mLを超えてしまう)。
なので、面倒ですが、最初は85mLくらいの、やや少なめの水でNaClを溶かし、そこから徐々に水を追加して溶けていないNaClを溶かし切ってしまうようにしてください。

 

ちなみに、NaClの溶解度は温度による影響が非常に少ないです。
なので、冬で気温が下がったときにNaClの溶解度が下がって一部が析出してしまう・・・ということはありませんのでご安心ください。

 

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