マウスの腹腔からマクロファージを採取する方法を説明します。
この方法で回収した細胞のうち、マクロファージは60〜70%ほどであり、他にはリンパ球なども含まれます。
準備物
- 26ゲージ注射針
- 18ゲージ注射針
- 10mLシリンジ(26G注射針を付けておきます)
- 15mLファルコンチューブ(マクロファージの採取用)
- 冷PBS
- 麻酔薬(イソフルランなど)
採取方法
- イソフルラン吸入で軽く麻酔をかけ、マウスの腹部を70%エタノールで消毒
- 10mLシリンジで冷PBS10mLを腹腔内投与する
- マウスの腹部を軽くマッサージする(10秒程度。強くし過ぎないこと)
- 18Gの注射針をマウスの腹腔内に刺す。
- 注射針から流出するPBS(マクロファージを含む)を15mLファルコンチューブに回収する。
- 1000rpmで5分間遠心分離し、上清を捨てる。
- RBC lysis buffer 1mLを加えて再懸濁。
- 室温で4分間放置(ここで赤血球を破壊させる)
- 1000rpmで5分間遠心分離し、上清を捨てる。
- PBS 1mLを加えて再懸濁。
- 1000rpmで5分間遠心分離し、上清を捨てる。
- チューブの底に残ったマクロファージを使用する。
コツと注意点
マウスのマッサージは強くし過ぎないこと(出血する場合があります)。
採取した腹腔内マクロファージに赤血球のコンタミが目視で確認できなくても、念のため、上記のRBC lysis bufferによる処理は加えたほうが良いでしょう。
プロトコールの5番目でPBSを回収したのち、次に進むまでに時間がかかる場合はon iceでキープしておきます。