バイオ研究でよく用いられる実験動物といえばマウスですが、下手な掴み方をすると噛まれてしまいます。
まだ実験に慣れていない初心者の方がいきなりマウスに噛まれてしまい、恐怖感から苦手意識を持ってしまう場合もあります。
そこで、ここではマウスに噛まれずに保定する方法について、ポイントを解説したいと思います。
マウスの上から首後ろの皮膚をつかみにいっては行けません。
これでは指がマウスの視界に入り、つかみにかかるのがバレバレです。
私は、これが一番大事なコツだと思っています。
苦手な人は、大抵マウスの頭上から指を伸ばしているように思います。。。
ツルツルの机の上など、マウスがつかめるような足場がないところではマウスが暴れやすくなり、思わぬ動きをし、噛まれてしまう危険性があります。
つかみに行く直前に軽く引っ張ることで、マウスはそれに抵抗して手脚を踏ん張るため、一瞬動きが止まります。
この瞬間を狙って首後ろの皮膚をつかみます。
なお、上記のように網の上などだと、マウスがより踏ん張りやすくなるので効果的です。
また、尻尾の根元のほうをつかむ人もいますが、先のほうで問題ありません。
(むしろ、?みつき防止のためには根元は避けたほうが良いのではないかと思います。)
呼吸をしている間、特に息を吸っている瞬間というのは集中力が緩みます。
なので、マウスをケージから取り出して保定するまでの数秒間は、息を止めるようにしましょう。
呼吸を意識している人はあまり多くないと思いますが、実験初心者で慣れていない方ほど重要なポイントです。
大抵、後ずさりして逃れようとしますので、軽く下に押し付けて動けないようにします。
マウスは意外に瞬間的な力があります。
皮膚をつかむ力が弱いと、一瞬で逃げてしまいますので、しっかりつかむことを忘れないようにしましょう。
また、最初は首の後ろの皮膚をつかみにいきますが、一旦つかんだら、中指・薬指・小指も使って背中の皮膚全体をたぐり、背面全体をつかむようにすると、安定して保定できます。
尻尾をフリーにしていると、下半身が大きく暴れて非常に保定しにくくなります。
ラットに比べるとマウスは小さいので軍手を使うとかえってつかみにくくなります。
逆に、ラットを保定する場合は、軍手をはめた手で優しく包んでやり、落ちつかせてから保定するとうまくいきます
(ラットはゴム手袋の感触を嫌うので軍手のほうがよい、と聞いたことがあります)
一度マウスを掴むコツを身に付けてしまえば、噛まれることはまずありません。
とにかく場数を踏み、毎日マウスを触っていれば、マウスの動きの習性が分かるようになってきますよ!!