バイオ実験のプロトコルやコツ、試薬のレシピなど、初心者の方がつまずきやすい点を中心に解説中!
タンパク質溶液の濃縮に用いられる実験方法であるアセトン沈殿のプロトコルです。
どうしても溶けない場合は、半乾きの状態でもバッファーで再溶解します。
よって、酵素活性測定などの実験に用いたい場合は、失活するおそれがあるのでアセトン沈殿は適していません。
SDS-PAGE→Western blottingなど、タンパク質の変性が問題となりにくい実験に適しています。
また、予めアセトンを冷やしておくことがコツです。
冷やすことで、タンパク質の変性(失活)を少なくすることができるとされています。
タンパク質は溶媒中の溶解度を減らすことで沈殿します。
有機溶媒であるアセトンを加えることでタンパク質の溶解度が下がり、沈殿するという原理です。
なお、多くの有機溶媒は水と混合しませんが、極性分子であるアセトンは水に非常によく溶けるため、タンパク質の沈殿に使われるのです。
安価でプロトコルも簡単であるため、よく用いられる実験です。
ただし、上に述べたように、有機溶媒であるがゆえにタンパク質の立体構造に影響を与えてしまうので、その点において問題のない実験系で使いましょう。