トリプシン 細胞 はがれない

 

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トリプシンで細胞が完全にはがれないときのコツ

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トリプシン/EDTAで接着細胞をディッシュから剥離するとき、上手くはがれないので困っている方へ!

 

継代のためなど、トリプシン/EDTA(以下、トリプシンと略します)処理は培養細胞をディッシュなどからはがすときによく行われる処理ですね。
ですが、初心者の方だと細胞が全部はがれず、大量の細胞がディッシュに残ったままで手間がかかってしまうという場合があります。
何回もトリプシン処理をしていると時間もかかってしまいますし、細胞にダメージもかかってしまいます。
なので、できれば一発でスマートに全部はがしてしまいたいですね。

 

そこで、トリプシンで細胞を剥離する場合の注意点についてまとめました。
10cmディッシュの場合でも、トリプシンは1mLもあれば細胞を全面はがすことができます。
「細胞がはがれない」とお困りの方はぜひ参考にしてくださいね!

 

トリプシンを加える前に、細胞を冷PBSで一度リンスする

これは私の体験談なのですが、最初に細胞培養を使ったラボでは、培地をできるだけ吸引し、PBSを加えず、吸引直後すぐにトリプシンを加えていました。
培地中の血清がトリプシン活性を阻害します。
培地をしっかりと吸引して除去すれば、トリプシンは問題なく効いている場合が多いのですが、時々細胞がなかなかはがれなくて困っていました。

 

しかし、次に所属したラボでは、「トリプシンを加える前に冷PBSを加えて培地を洗ってPBSを吸引し、その後トリプシンを加える」という方法を教わりました。
この方法だと、接着細胞がはがれないという事態はほぼ100%なくなりました。

 

冷PBSを加えて吸引する際、最後にディッシュを数秒間傾けると、下のほうに吸い残しのPBSがたまります。
これも吸ってPBSをできるだけ除去し、トリプシンができるだけ薄まらないようにしましょう(この操作は結構重要です)。

 

ちなみに、私は冷PBSを加えると教わりましたが、常温のPBSでリンスしても特に不具合はありませんでした。

トリプシンの温度に注意!

トリプシンを冷蔵庫から取り出してすぐに使っていませんか?
トリプシンの至適温度は37℃です。使用する前にウォーターバスでしっかり加温しましょう。

トリプシンの温めすぎに注意!

トリプシンを長時間温めすぎると、酵素活性が落ちてくると言われていますので、至適温度まで加温したらすぐに使うようにしましょう。
長時間ウォーターバスの中で放置している人は要注意です。

CO2インキュベーターの棚の傾きをチェック

トリプシンを加えたのち、ディッシュを静かに傾けてトリプシンがディッシュ全体に行き渡るようにしますよね?
その後、CO2インキュベーターで反応させているとき、庫内の棚が水平でなければ、トリプシンが一部分にしか触れず、細胞が全部はがれないというケースもあります。

 

インキュベーターの棚の水平をチェックし、もし問題があれば調節しましょう。
もし、調節が難しいようであれば、加えるトリプシン量を増やし、トリプシンがディッシュの底面全体をカバーするようにしましょう。

インキュベーションの途中で培養ディッシュを軽くたたく

細胞種にもよりますが、トリプシンを加えて1分から5分程度CO2インキュベーターの中でインキュベーションしますが、その途中で一度ディッシュを取り出し、指ではじくなどして軽くたたき、再びインキュベーションすることで細胞のはがれ方が良くなります。

 

私の場合、人差し指でディッシュの側面をコンコンとはじきますが、底面を指で叩く人もいるようです。
やりやすい方法でよいと思います。
(ただし、強く叩きすぎてトリプシンを飛び散らせてしまわないように!)

 

途中でたたくのではなく、最後にたたく人もいますが、叩いてしばらく37℃に置いておくことで効率よく細胞をはがすことができます。

 

いかがでしょうか?

 

細胞をプレートやディッシュに均一に播けないという方はこちら⇒培養細胞をプレートに均一にまく方法

 

※トリプシンにEDTAが含まれている理由
カルシウムやマグネシウムイオンはトリプシンの活性を抑制するのですが、EDTAにはこれらのイオンをキレート(捕捉して作用しないようにする)する効果があるのです。

 

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